中古マンションの値引きについて

中古マンションって値引きしてもらえる?

中古マンションの仲介をしていると、こんな質問をお客様からよく受けます。

「中古マンションってだいたいいくらぐらい値引きしてもらえるんでしょうか」

私はいつもその質問に困ります。
中古マンションの場合、大半の場合は売主は個人売主が多く、人間の顔と同じように、同じ物件は二つとありませんし、中古マンションの売主さんも物件ごとに異なります

中古マンションの売主みんながみんな同じような思考回路を持っていれば苦労しませんが、売主さんも千差万別。
それぞれみんな反応も千差万別です

値引き交渉をしたときに、

売り主
「いいですよいいですよ」

とおっしゃる中古マンションの売主もいれば、

売り主
「値引き交渉をしてくる買主は二度と連れてくるな!」
と怒る売主だっています。
中古マンションの買主が何千万円もの買い物をするのに本気であるように、売主も本気です。
資金に余裕のある売主が、値引き交渉に応じてくれやすいイメージがありますが、実際にはその逆資金に余裕のある人ほど、値引き交渉が難航することが多いです
「別に急いで売る必要ないから」
と言われたりします。
反対に、資金に詰まって換金のため、あるいはローン返済のために、売却しないといけない理由が明確な売主ほど、値段交渉には応じてくれる可能性が高いです。
そういうわけで、冒頭にありました、
「中古マンションってだいたいいくらぐらい値引きしてもらえるんでしょうか」
という質問にはいつもこのように答えます。
「それは物件ごとに違うのでわかりません」
ですが、過去の経験上せいぜい交渉の幅の限界は5%~10%くらいだと思います。
それ以上の交渉を持っていっても「話にならない」と断られる可能性がとても高くなります。
一度「話にならない」と思われてしまうと、
「じゃあいくらだったら売ってくれますか」と切り替えしても、金額を言ってくれないこともあります。
交渉というのは、低い金額からいけばいいと言うものではありません
低い金額からスタートして、「間(あいだ)をとって」とよく言われますが、そんな簡単な交渉ならば誰でもできるでしょう。
交渉するにはまず、その売主の背景と、資金事情を把握する必要があります。
1. 売却理由は何なのか?
2. ローン(債務)はのこっているのか?
この二つは必須です。
売却理由によって急いでいるのか急いでいないのかがわかります。
またローンがいくら残っているのかで、どこまで交渉できるのかの目安となります。

中古マンションの値引き交渉をする際の基本について具体的な事例

ここでは実際の値引き交渉について例を挙げて説明します。
例えば3000万円の売り出し物件があるとしましょう。
住宅ローンがいくら残っているのかわかりませんが、登記簿謄本を見せてもらうと、5年前に購入しており、その当時3300万円のローンを組んだようです。
5年前の金利を想像して残高を想像しましょう。
まず売主の年齢がなんとなくわかればいいのですが、物件を見に行った時に居住中であればおおむねの年齢が想像できると思います。
わからない場合はその担当者に「売主さんはいくつぐらいの方なんですか?」と聞いてみるとよいでしょう。
なぜ売主の年齢を確認するかというと、5年前に組んだローンの返済期間を想像するためです。
もしも30代だと思われる売主ならば、おそらく住宅ローンの最長期間の35年でローンを組んだことが想像できます
ここでは35年で組んでいると仮定して残高を想像します。

住宅ローン3300万円を35年返済で組んで、5年経過しているということは全体の35分の5、つまり7分の1を経過しています。

3300万円の7分の1は約470万円ですが、元利均等返済の場合、7分の1は減りません金利があります。
ですが昨今の低金利でその影響も小さくなっています

ここで大ざっぱに予想します。

「7分の1だから・・・えっと大ざっぱに400万!」

こんな感じでよいでしょう。

すると住宅ローンの残りは3300万円から400万円減って、約2900万円と予想します

そして売り出しの価格を振り返ってみましょう。
3000万円でしたね。

そして売主の手取りを計算してみましょう。
3000万円で売却すると、仲介手数料が96万円消費税・・・登記費用が約6万円(売主の登記費用はこんなもんです。関東では売主は登記費用を負担しない慣習のようですが)・・・住宅ローンの残高が2900万円・・・

3000-103-6-6-2900=▲ 約10万円

ということで、この中古マンションの売主さんは3000万円で売却するのに自腹でマイナスの10万円分を捻出しないといけません

ということは、3000万円を「2900万円にしてください!」と値引き交渉した場合、売主の思考は、
売り主
(売却するのに自腹で110万円を捻出しないといけない?!うーん…厳しいなぁ)
となるわけです。
さらにそこで売却理由がなんなのかによって、売主の判断が変わってくるのです。
その売主が売却して買い替えを考えている場合、この売却によってマイナスが出てしまうと、購入先の資金計画に大きく影響します
特に、売ってから次の買い替え先を探す人の場合は、売れる金額によってかなり左右されます。
また他の理由を考えてみましょう。
売却理由が、住宅ローン支払い困難な人の場合、一日でも早く売れることを望んでいるはずです
せっかく買ってくれる人が目の前にいるのに、強気で突っ張って、せっかくの買主を逃してしまっては、次にいつ新たな買主が現れるかわかりません
その場合は応じてくれる可能性が高くなります
ただし、今回のケースでは売却するのに自腹を切る必要がありますので、お金に困っている人がそのお金を準備できない可能性が高いです
親などが売却のために資金援助してくれることもありますので、そうやってなんとか売却なさる売主さんもいるのです。
少しここでまとめますと、すべてに当てはまることではありませんが、売却理由がはっきりしていて、早く売りたい人の場合、値段交渉は割りとやりやすいです。
反対に資金的に余裕のある人ほど、急ぐ理由がなく、値段交渉がききにくいと心得ておきましょう。
そして、住宅ローンが残っている売主の場合、ローンの残高を想像しましょう。
単刀直入に仲介業者の担当者に聞いてみるのも一つです。
教えてくれる時もあるかもしれません。
また売主さんの売却理由を聞いて、それがかわいそうな理由であっても、値段交渉は情にほだされていてはいけません。

お金の交渉の際には情は不要。思い切って交渉しましょう

売るか売らないかの結論を出すのは売主ですから。ダメな場合は仕方がない、そのように割り切って臨みましょう

でもどうしても逃したくない物件や、ものすごく気に入ってしまった物件の場合は、売主さんとの関係づくりにも気を使いながら臨機応変且つ慎重に交渉をしてみましょう

もちろん、あくまでもケースバイケースです。

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