中古マンションって値引きしてもらえる?
中古マンションの仲介をしていると、こんな質問をお客様からよく受けます。

私はいつもその質問に困ります。
中古マンションの場合、大半の場合は売主は個人売主が多く、人間の顔と同じように、同じ物件は二つとありませんし、中古マンションの売主さんも物件ごとに異なります。
中古マンションの売主みんながみんな同じような思考回路を持っていれば苦労しませんが、売主さんも千差万別。
それぞれみんな反応も千差万別です。
値引き交渉をしたときに、

とおっしゃる中古マンションの売主もいれば、


「中古マンションってだいたいいくらぐらい値引きしてもらえるんでしょうか」
という質問にはいつもこのように答えます。

それ以上の交渉を持っていっても「話にならない」と断られる可能性がとても高くなります。

「じゃあいくらだったら売ってくれますか」と切り替えしても、金額を言ってくれないこともあります。
低い金額からスタートして、「間(あいだ)をとって」とよく言われますが、そんな簡単な交渉ならば誰でもできるでしょう。
1. 売却理由は何なのか?
2. ローン(債務)はのこっているのか?
この二つは必須です。
またローンがいくら残っているのかで、どこまで交渉できるのかの目安となります。
中古マンションの値引き交渉をする際の基本について具体的な事例

わからない場合はその担当者に「売主さんはいくつぐらいの方なんですか?」と聞いてみるとよいでしょう。
もしも30代だと思われる売主ならば、おそらく住宅ローンの最長期間の35年でローンを組んだことが想像できます。
住宅ローン3300万円を35年返済で組んで、5年経過しているということは全体の35分の5、つまり7分の1を経過しています。
3300万円の7分の1は約470万円ですが、元利均等返済の場合、7分の1は減りません。金利があります。
ですが昨今の低金利でその影響も小さくなっています。
ここで大ざっぱに予想します。

こんな感じでよいでしょう。
すると住宅ローンの残りは3300万円から400万円減って、約2900万円と予想します。
そして売り出しの価格を振り返ってみましょう。
3000万円でしたね。
そして売主の手取りを計算してみましょう。
3000万円で売却すると、仲介手数料が96万円と消費税・・・登記費用が約6万円(売主の登記費用はこんなもんです。関東では売主は登記費用を負担しない慣習のようですが)・・・住宅ローンの残高が2900万円・・・
3000-103-6-6-2900=▲ 約10万円
ということで、この中古マンションの売主さんは3000万円で売却するのに自腹でマイナスの10万円分を捻出しないといけません。


せっかく買ってくれる人が目の前にいるのに、強気で突っ張って、せっかくの買主を逃してしまっては、次にいつ新たな買主が現れるかわかりません。
反対に資金的に余裕のある人ほど、急ぐ理由がなく、値段交渉がききにくいと心得ておきましょう。
そして、住宅ローンが残っている売主の場合、ローンの残高を想像しましょう。

教えてくれる時もあるかもしれません。
お金の交渉の際には情は不要。思い切って交渉しましょう。
売るか売らないかの結論を出すのは売主ですから。ダメな場合は仕方がない、そのように割り切って臨みましょう。
でもどうしても逃したくない物件や、ものすごく気に入ってしまった物件の場合は、売主さんとの関係づくりにも気を使いながら臨機応変且つ慎重に交渉をしてみましょう。
もちろん、あくまでもケースバイケースです。