買い替え 中古マンション、一戸建てなど
しかし、定年をすでに迎えている、あるいは自営業だったがリタイヤしている、
そんな場合には新たなローンを組むことができませんし、資金繰りは現宅の売却資金に頼らざるを得ません。
他に貯金や金融資産などがあれば、それを一時的に利用して購入してから、
引越しを済ませて、現宅を空き家にして売却することもできますが、
金融資産が株や投資信託であったりすると、売却のタイミングが購入のタイミングと合うのかどうかわかりません。
そういう時にお客様から時々、
と言われます。
確かに手付金を売主に受け取ってもらえば、物件を押さえることは可能です。
でもここでよく考えて欲しいのです。
手付金を売主に受領してもらうということは、売買契約を締結するということです。
また売買契約を締結するということは、価格はもちろん、引渡しの時期まで確定することになります。
そうなってくると、例えば手付金を準備できたとしても、
残りの残代金を支払うまでに、現宅の買い手を見つけ、さらには取引を完了していないと、
残代金を支払うことができなくなります。
そうすると違約金の支払をしないといけなくなり、金銭的なダメージを受けることになります。
売却と購入の連動にはリスクがつきもの
「買い替え特約」をつけて、売買契約を締結すればいいのでは?
とすこし勉強されている方はおっしゃいますが、
売主が売買契約の特約に買い替え特約を入れることに同意してくれるのかどうかわかりません。
もし、売主が不動産業者であれば、特約を付けてもらえるかもしれませんが、
個人の売主の場合は、付けてもらえる可能性は低いとみていいでしょう。
売主が業者の場合に買い替え特約を付けてもらえるとしても、
その代わりに自宅の売却価格について、「すぐに売れる価格設定にしてください」と口を出してきます。
もしくは、「万が一売れなかった際には、買い取りを覚悟してください」と言われることがあります。
買取の場合は通常の査定価格の8割くらいになると思います。
いずれにしても、なんらかの形でなんらかのリスクを負わないといけなくなります。
なんのリスクもなく買い替えすることは難しいでしょう。
買い替え特約を付けて、なおかつ好きな金額で売り出せれば一番リスクが少ないのだと思いますが、
なかなかそういう条件で売買契約を締結させてくれることはむずかしいでしょう。