都市計画道路に抵触する不動産は「買い」か
私自身が新人の頃、都市計画道路に抵触しているということは、都市計画道路が事業決定してしまったら、土地の面積が減ってしまって、資産価値が下がると思っていました。
確かにそれもあながち間違いではないと思いますが、経験と勉強を重ねていくうちに、都市計画道路を利用するやり方もあるのだと気付いてきました。
去年の暮れに、私自身がマンションから一戸建てに買い替えしようと、建築条件付の土地を見に行きました。
全部で4区画あり、そのうちの1区画が都市計画道路に抵触していました。
土地の面積は約40坪ありまして、そのうちの約5坪が都市計画道路に抵触していたのです。
おとなりの区画は土地面積が35坪で、都市計画道路に抵触している40坪の土地と同じ価格でした。
40坪のうち35坪にカースペース2台と家を配置し、計画道路に抵触している5坪は3台目のカースペースとしました。
将来、その5坪が市に買い取られることを想定してプランを立てたのです。
都市計画道路が事業決定されて、いよいよ買い取ってもらえるとなれば、臨時収入になります。
しかし、家のプランを立てているときに、その土地には先に買い手が付いてしまいました。
プロでもこんなことがあります。先に取られてしまったのです。結局、隣の区画を購入しました。
ときどきですが、敷地の全部が都市計画道路に入ってしまっている時があります。
その場合は全てを収用されるため、事業決定と同時に引越しをしないといけなくなります。
それは面倒ではありますが、時価で買い取ってもらえるということを想定すれば、損ではないのかもしれません。
しかし、あくまでも時価ですから、多少イロをつけてもらったとしても、基本はあくまでも時価です。
引越しを余儀なくされ、さらにその時のご時世が悪く、相場が下がってしまうと、
相場が回復するまで待ってもらえればいいですが、そこまで考えてもらえるかどうかわかりませんので、とても不安定な状態になります。
都市計画道路に敷地の全部が抵触しているということで、
もしも安く買えるならばそれもありですが、単に相場で買うだけならば、不安定さが残るためお勧めはしません。
ちなみに都市計画道路は、戦後間もなく決定されたり、昭和40年代に決定されたり、かなり昔に決定されたものが多いので、現在まで事業が決定していないということは、
極端な話、生きている間に拡幅されるかどうかもわかりませんし、計画が変更になる可能性もあります。