今買うべき論
不動産を購入するとき、よほど明確な強い動機が無いと、今すぐに買わなければならないという気持ちは生まれません。
でも反対に、転勤、同居、立ち退きなど、時期と動機が明確な場合 、その時に出ている物件から選ぶことになります。
営業マンも、一生懸命に物件を紹介すれば、お客様がおのずと物件を選択し、購入の決断をしてくれます。
そういうお客様の場合はとても楽です。
動機と購入時期が明確なお客様は必ずと言っていいほど、物件を購入してくれます。
ですが、その分営業マンはがんばらないといけません。
いくら買いたいとお客様が思っていても、時期を急がないお客様はなかなか決まりません。
そこで営業マンのセールストークよって 、お客様の購入時期を急かすのです。
「早くに買わないと」と思ってもらえれば、お客様の物件見る目が変わってきます。
「急がない」と考えてるお客様は物件を見るときにも、自分が購入することをイメージしていません。
早くに買いたいと思わせることによって、物件を真剣に見ることになるのです。
ほんとに急いでいない人もいますが、営業マンに急かされることを嫌って、急いでないふりをしているお客様もいますので、その言葉をうのみにせず、よくヒアリングしましょう。
では具体的にどうやってお客様を今買う気にさせるのか、ひとつの例をお話しいたします。
古典的ではありますが、意外にこの話はきちんと理解してもらえれば、結構な効き目があります。
私も新人には、この話のためのツールを準備しておき、よく使ったものです。
お客様の動機作りのための、「今買うべき論」を古典的ではありますがひとつご説明させていただきます。
一方的ではなく、質問を織り交ぜながらとか、雑談の延長で 話してみるなど、タイミングを見計らって話してみてください。
せっかくのいい話もタイミングが悪いと全く効き目がないどころか、逆効果にもなりかねません。
それでは、具体的に説明をいたします。
キーワードは「金利がもし1%上がってしまったら・・・」です。
お客様の予算に合わせて、資金計画を作ることがありますよね。
まず基本はその資金計画です。
例えば、
3000万円の物件を自己資金300万円で買うとします。
(諸費用はわかりやすくするためにここでは計算に入れません。)
すると、住宅ローンは2700万円となります。
もし、この資金計画で、金利が1%上がったらどうなるでしょうか。
支払額が上がるのは当然誰でもわかりますよね。
ちなみにいくらになるのかというと、 86,356円になります。
その差額が 12,941円です。
同じものを買うのに金利が1%違うだけで、月々12,941円多く支払わないといけないのです。
金利の低い今が買い時
もう少しつっこんでみましょう。
これを逆算しますと、
住宅ローンの借り入れが2300万円の時に、ほぼ同じ額になります。
これが重要ポイントです。
そうでなければ購入できる物件の価格が下がる、つまり物件の質が下がるのです。
もっと言い換えれば、
頑張って貯金を増やして自己資金を400万円増やしたとしても、金利が1%上がってしまったら、その努力がパーになるのです。
さらに貯金に費やした期間だけローンが終わるのが遅くなります。
「だから 金利の低い今が買い時」なのです。
これをきちんとお客様に理解してもらえれば、それ以降お客様の物件を見る目が変わるはずです。
ぼんやりとなんとなく家が欲しいなあ、というどちらかというと若い目のお客様には効果があると思います。
あるいは、ローンを組めるのがギリギリに近づいてきて、でもまだ一度もマイホームを購入したことのない方にも効果的かも知れません。