困った。困った。
今回は、賃料見積りの出し方について紹介していこう。
賃貸住宅経営の『収入(賃料)』の見積り方法
- マーケティング調査から見積る
- 設計図、賃貸面積表から見積る
STEP1 マーケティング調査から見積る
賃貸住宅経営の収入とは月々の家賃のことです。
どれくらいの収入が見込めるかについては、事前にマーケティング調査、相場を調べ、現実的な予測を立てることが大切です。
賃料の予測方法
- 条件(建物のグレードや立地・面積など)から単価を予測
- マーケティング資料の成約賃料ベースから賃料が妥当か予測
- 賃料の相場や経済情勢など直近のデータから賃料を予測
- 家賃の滞納や空室リスクを盛り込んで収入を試算
条件(建物のグレードや立地・面積など)から単価を予測
賃貸住宅経営の場合、賃料は賃貸面積×単価で算出できます。
全体が同じ面積でも、1戸あたりの面積が広いほど単価は下がり、小さいほど単価は上がるため、単身者向けかファミリー向けかで単価は大きく変わってきます。
建物のグレードや立地によっても単価が変わってしまうため、条件を加味しながら家賃収入を予測する必要があります。
マーケティング資料の成約賃料ベースから賃料が妥当か予測
マーケティング資料には「募集賃料」ベースのものと「成約賃料」ベースのものがありますが、賃料を予測するためには、「成約賃料」ベースを使用します。
募集チラシを集めるだけではなく、実際の成約賃料を調査し、物件が満室になるまでどのくらいの期間がかかったのかということも調べる必要があります。
また、資料や情報を集めるだけでなく、実際に現地に足を運んで調査することも重要となります。
- 空室チェック(郵便ポストに入居者名は記載されているか・窓にカーテンがかかっているか・電力量計メーターは回っているか・駐輪場に自転車は何台くらい駐輪しているのか など)
- 地元の不動産会社にヒアリング
- 計画中の賃貸住宅と隣接地の状況
- 交通条件
- 周辺環境
- 周辺建物のグレードや規模、外構、間取りや設備等の比較
これらを現地に行ってチェックすることで、想定している賃料が妥当なのかを検証することができます。
賃料の相場や経済情勢など直近のデータから賃料を予測
家賃は変動するものですので、直近のデータを集めることが重要です。
賃料の相場は経済情勢や周辺の環境で変わってしまいます。
近くに100世帯以上の大きな賃貸住宅が建ってしまったら、需給環境が変わり、家賃相場も動いてしまいます。
このような直近のデータや情報を集めた上で、物件の立地や建物のグレードを比較して賃料を見積もることが必要となります。
家賃の滞納や空室リスクを盛り込んで収入を試算
家賃の滞納や空室リスクについても事前に考えておく必要があります。
安易に、部屋が満室であり続けるという計画を立ててはいけません。
収支計画では、滞納リスク、空室リスクを考え、満室時の90%程度の収入を想定しておきましょう。
また、経年劣化も考慮に入れておく必要があります。
建物は年数が経つとともに老朽化していくので、対応して家賃も下げなければいけません。
新築は一般に5年くらいとされていますので、5年後に家賃が2~3%下がるものと考えておきましょう。
その後も築年数が経つにつれて、空室率は上がり、家賃収入が下がるものと想定しておくことが求められます。
どういう品質の建物か、どのような管理を行っているかによって、建物の寿命や家賃の下落スピードには大きな差ができますので、想定している建物の品質や管理についても盛り込んで収入は試算しておくことが大切です。
STEP2 設計図、賃貸面積表から見積る
住居系の設計図には、建物の配置や各住戸のプランが記載してあり、各プランの賃貸面積表が添付してあります。
しかし、この月額収入は概算値で、実際は3階建てなら3階部分の賃料単価を1万1,000円、2階部分は1万円、1階部分は9,000円など、階層別に賃料を設定し、全体の平均で坪1万円になるように設定する必要があります。
同じ3階でも、東南側の角部屋であれば、1万2,000円、南西側の角部屋は1万1,500円、中住戸は1万300円など、個々の条件に合わせて賃料を設定していきます。
もし、東南側に大きなビルがあって日照条件や眺望に問題がある場合は、角部屋でも1万円とするなど柔軟な対応が必要となります。
全部同じ賃料なのかと思ってた。