不動産屋の営業はお客様をつめるの「つめる」の意味
まず、「つめる」という言葉についてお話しますが、不動産屋同士の会話でも「つめる」という言葉はよく出てきます。
私の務める会社では、上司が「客をつめろ」とか営業所内でも平気で発言します。
また不動産の営業マンになって慣れてきた営業マンも調子に乗って「つめる」という言葉をよく使います。
しかし、私の周りでこの「つめる」という言葉を、生々しくしかも下劣に使うのは私の上司、所長です。
しかも私が思うに、所長は「つめる」という言葉を、大きく勘違いしていると思います。
大手の企業であるがために、お客様は営業マンを信じ、物件を購入してくれます。
それが結果として残るため、営業マンも会社から出ていくことがないと気づくチャンスにも巡り会えないことになります。
私の周り、特に所長は「つめる」を「追い詰める」と勘違いしています。
お客様がある程度の商談に進んでくると、「断りにくい状況を周りから固めていけ」という指示を出します。
若いお客様が「親に見てもらわないと決めれない」と言ったとしても、
「物件がなくなってしまうから、先に交渉しましょう」とか「買うと決まってからローンの申請をしていたのでは時間がかかり、ローンの通るお客様を優先されてしまう可能性があるので先に住宅ローンの事前審査をしましょう」などと持ちかけ、値段交渉と住宅ローンの事前審査を持ちかけます。
そして、値段交渉をまとめ、住宅ローンの審査を通し、お客様に断りにくい状況を次々に作り上げさせるのです。
お客様の考える猶予を与えることがないように次々に状況を作り上げていきます。
「外堀を埋めて」もう逃げられない状況を作っていきます。
そんな状態でもしも仮に「やっぱりやめます」と言おうものなら、「値段交渉もとおしたのに、住宅ローンも通したのに」とでも言わんばかりに責められたりします。
とくに私の上司、所長の発言を聞いていると全く顧客目線ではありません。
「会社のこと、数字のことしか頭にないのか」と毎度毎度思うのです。
先ほどの例を考えれば、親に見てもらわないと決めれないとおっしゃっているならば、まず親に見てもらうのが最優先だと思うのです。
親の後押しがあれば、ご本人は大手を振って、自信を持って購入に踏み切れると思うのです。
値段交渉と事前審査
前述の後、はじめて値段交渉を進め、住宅ローンの事前審査を行うのです。
しかし、値段交渉はよほど捕まりにくい売主でなければ、経験上売主と会うことができれば、その日かその翌日には答えが出ています。
住宅ローンもそうです。
書類が揃えば翌日か翌々日には銀行は答えを出してくれます。
焦る必要はないのです。
もしかしたらやっていることは同じなのかもしれませんが、
主体となるのが、「会社の数字」なのか、はたまた「お客様」なのか、という点では天と地ほどの違いがあると私は思います。
考えるペースは私に任せていただきたい、もしもその間に売れてしまったら縁がなかったのだと納得も出来る、私がお客ならばそのように考えると思います。
大手の看板のおかげで仕事ができているということも忘れ、お客様のことを「客」と呼び捨てにする営業マンもいます。
新人の頃はお客様を大切にしていたのに、次から次へとお客様が発生し、契約が出来るために、自分の力を過信し、偉そうにする奴がどれだけ多いことか。
定年まで勤め上げるのであればそれでもいいのかもしれませんが。