地方に土地を持っていて、遊休地を太陽光発電事業で活用しようとしている人は、デメリットやリスクについても把握しておきましょう。
太陽光発電はメンテナンスフリーの発電システム?
風力発電のように、回転する部分がありませんし、火力発電のように高温にさらされる部分もありません。
そのため、太陽光発電はメンテナンスフリーの発電システムと考えられていたこともありますが、周辺環境の変化やパネルの性能によっても発電量は大きく変わってきます。
また、固定価格買取制度が開始された2012年から20年間稼働した太陽光発電システムはまだありません。
そのため、20年以上稼働し続ける耐久性があるかどうかは、現在も証明されていないのです。
太陽光発電システムのリスクを回避する5つのポイント
リスクを回避する5つのポイント
- 設置地点の日射量
- 太陽光発電パネルの設置位置や角度
- 周辺環境
- 太陽光発電パネルの性能
- 架台やパワーコンディショナーなどの機器の性能
この5つのポイントについて、的確な説明のできる業者は少ないので、業者の言いなりにならず、自分で太陽光発電について情報を得ておくことが大事です。
ポイント① 設置地点の日射量
太陽光発電事業を行う場所を選ぶ際に、最初に考えるべきことは「設置地点の日射量」です。
日射量が想定水準に達していないと収支が合わなくなり、事業計画は崩れてしまいます。
太陽光発電パネルで作られる電気量は、日射量に比例するため、太陽光発電所の立地条件に十分な日当たりが必要となります。
気を付けたいポイント
- 北向きの斜面は適さない
- 平坦地や南向きの斜面であっても、敷地内に影を落とすものがないか確認する
- 周囲の高い建物や送電線、立ち木をチェック
- 長期にわたって、太陽光発電所を置くことができるか検討する
太陽光発電パネル1枚には、複数の太陽電池がありますが、この太陽電池1つに影が入ってしまうだけで、太陽光発電パネル全体の太陽電池は発電しなくなってしまいます。
「設置地点の日射量」というのは、晴れが多いか少ないかだけでなく、影1つできる可能性があるかないか、今後影になりそうなものはないかなどを検討するということです。
ポイント② 太陽光発電パネルの設置位置や角度
しかし、太陽光発電パネルを支える架台が傾いてしまうだけで、日射を効率よく受け止めることができず、発電効率が落ちてしまうことがあります。
そのため、太陽光発電パネルの設置場所として、日当たりなどをチェックするだけではなく、地盤が軟弱ではないかも確認する必要があります。
気を付けたいポイント
- 以前どのように利用されていた土地か?
- 埋め立て地なら地盤強度の確認をすること。
- 市街地から離れた山の中の平坦地は産業廃棄物処分場だった可能性あり。埋め立ててから日が浅いので、地盤が軟弱なことがあるので要注意。
地盤が軟弱な場合は、基礎工事を行う必要があり、工事が高額になることもあります。
その場合は、太陽光発電事業をするべきか慎重に検討する必要があります。
ポイント③ 周辺環境
太陽光発電事業はその土地だけでなく、周辺の近隣住民への配慮も大切となります。
近隣住民への配慮が欠けたまま、事業を進めてしまうと反対運動などを生んでしまうこともあります。
気を付けたいポイント
- 自然景観を損なっているという意見がないか
- 自然堤防を削るなどは近隣住民にもしっかり説明が必要
ポイント④ 太陽光発電パネルの性能
太陽光発電パネルの性能によって、発電効率が変わり、収支が大きく変わってしまうことがあります。
高価な太陽光発電パネルなら、発電効率の良い太陽光発電所を作れるというわけではありません。
気を付けたいポイント
- 年中気温が高い場所は、値段の安いアモルファスシリコンや非シリコン系の太陽電池の方が熱に強く発電効率の低下が少ない。
- 限られたスペースで高い発電量をキープしたいなら、高効率なタンデム型太陽光発電パネルが良い。
- 太陽光発電所のスペースが十分に確保できるなら、安価な太陽光発電パネルを沢山設置した方が良いこともある。
太陽光発電パネルの性能だけでなく、初期不良についても考えておく必要があります。
出荷前にどれだけ検査されているかによっても、初期不良の数は変わってきます。
ポイント⑤ 架台やパワーコンディショナーなどの機器の性能
太陽光発電パネルに初期不良がなく、性能が良くても、発電された直流の電気を交流にして送り出すパワー・コンディショナーの選択を間違えてしまうと、発電量が低下してしまうリスクがあります。
どんなパワー・コンディショナーでもロスは発生してしまいますが、できるだけ変換ロスの少ないパワー・コンディショナーを選ぶ必要があるのです。
気を付けたいポイント
- 変換ロスの少ないパワー・コンディショナーほど価格は高くなるもの。しかし、安易に初期投資を抑えるために安価なパワー・コンディショナーにしてしまうと、大きな発電量の違いが発生してしまうこともある。
- 電圧が高いほど変換ロスは少ないので、電圧の高いパワー・コンディショナーを選ぶ。
- 電線の太さによっても送電ロスが発生するため、できるだけ太い電線を使う。
地震等の自然災害リスクには、保険で備えましょう。
太陽光発電所には、自然災害リスクは脅威です。
保険でリスクをカバーできるところは、備えておくことをオススメします。