中古マンションと家賃と住宅ローン
家賃と同じ支払いならば、住宅ローンを組んで購入した方がいい、というご意見がきっととても多いことでしょう。
私も同じように考えていました。そして現在もその考えはほぼ変わっておりません。
しかし、時々買わないほうがよかったのでは?!と思うときがあります。
それは例えば、リストラや会社の倒産や市況の変化によって、ローンの返済ができなくなった人を見かけたときです。
中古マンションの売り出しを見ていると、
時々「債権者の同意が必要です」と書いてあるのを見かけることがありますが、
まさにリストラや倒産などで、住宅ローンが支払えなくなった人を目の当たりにすることがあります。
こういう光景を見たときに、「無理して買ったのかなあ」と思うのです。
もしも買わずに賃貸マンションを借りていたとしたら、高い家賃が払えなければ、安い家賃のところに引越しするだけで済んだのではないのかと思うのです。
それなら中古マンションを購入していた場合でも、
払えなくなった時点で売ればいいじゃないか、と思いますが、
中古マンションの任意売却の場合は、売却価格よりも住宅ローンの方が多いこともよくあり、
実際には売却できないでいることが多いのです。
売却資金で住宅ローンを完済できれば、心配はないのですが、
中古マンションが値下がりし、住宅ローンの残高よりも低い価格になってしまうと、
売却するために自己資金が必要になります。
その自己資金も用意できず、何らかの理由で住宅ローンの月々の返済もできず、にっちもさっちもいかなくなった場合に、銀行にお願いをするのです。
それを銀行が承諾すれば、抵当権が解除され、売却できることになります。
自己資金ゼロで購入ができる
こういう状況に陥る方に多いのは、収入が少なく、自己資金も少ないのに、「家賃と同じくらいなら買った方がいい」と無理をして買ってしまう人です。
マンションのチラシでも書いてありますよね。
確かに自己資金ゼロでも購入ができます。
マイホームを手にすることの喜びを得られますし、自信にもなります。
けれど、その支払いを何十年もしていかないといけないことをわすれてはいけません。
それは生きている間ずっとです。
購入して自分のものになれば住宅ローンの支払いも家賃もなくなり、
住居費は大幅に減ることになるでしょう。
ですが、それは住宅ローンとして借りた分を返し切った場合です。
当たり前のことですが、これは本当に大変な労力です。
毎月の金額についついマヒをしてしまいますが、何千万円もの借金です。借りた以上返さなければいけません。
自己資金ゼロで購入できても、中古マンションが値下がりすることも想定しておかなければなりません。
資産価値?もし資産価値がゼロになったとしてもなんとかなるような資金繰りができるよう考えておくべきです。
それが描けないならば無理をしないことです。一生のお買い物で博打をしないことをお勧めします。