事前にどの程度の金額なのかリサーチしていても、思った以上に高額だと感じる人も少なくはないでしょう。
このコラムでは、納税通知書の届く時期や納税方法のほか、
固定資産税をいつからいつまでの分を支払う必要があるのかなど固定資産税の基本について紹介します。
いつからいつまでの所有期間分を支払う訳ではないのが固定資産税
固定資産税の納税義務がある人は、1月1日の時点でマイホームなどの不動産物件を所有している人です。
1月2日からの時期に不動産物件を購入すれば、その年に固定資産税の支払い義務は生じず、
物件を購入した翌年4月以降の会計年度分として支払うことになります。
このため、固定資産税は、いつからいつまでの不動産所有期間分を支払うという納税方法ではありません。
しかし、新築物件であれば関係ありませんが、
中古物件の場合には1年で支払わなければならない納付額を日割り計算し、
購入してからの期間について物件購入者が納税する必要のあるケースもあるので、
中古物件を買った人は注意が必要です。
物件によって納税するかしないかは異なるため、
購入する前に不動産会社の担当者へ固定資産税について質問してください。
売主に固定資産税の滞納分があれば、滞納のペナルティを負うのはあくまでも売り主ですが、
購入者が納税する契約であった場合に納税額が高額だとしても買主からは異議申し立てができません。
手元に届いたら納税額や不動産の評価額などの確認をしましょう。
各自治体によって異なる支払い期限も納税通知書に記載されていますので、
いつまでに支払えば良いのかを必ず確認して支払い遅れが生じないように納付を済ませます。
納付が遅れると年に最高で14.6%の延滞金が発生してしまいとても損です。
支払いをしないでいると催告状と書かれた通知書が送られて来るだけでなく、
それ以降も支払いが遅れれば給料や対象となる物件の差し押さえも考えられます。
支払い時期は、購入した不動産がある自治体が決めているので、
分からない場合は自治体の窓口やホームページで確認すると良いです。
固定資産税は国税ではありませんので、自治体ごとに支払うタイミングは異なる場合もあります。
一般的には、6月と9月と12月、翌年の2月と4回で支払っている人が多いとされますが、
4回に分けずに1括払いで納税する方法もありますので、
自分に適した納税スタイルを選択すると良いでしょう。
ただし、1括で支払ったからと言って、商品を購入するのとは異なり値引き対象になったり、
分割だからと言って支払い額がアップしたりする訳ではありません。
固定資産税の支払い方法や間違った場合の対処法

コンビニエンスストアや銀行などで使える振込用紙ですので、支払いがしやすい場所を選択してください。
4回に分けて支払うのになぜ5枚分の振込用紙なのかと言えば、1枚は1括払いに使う用紙だからです。
振込用紙に記載されている内容を良く見て、間違えずに正しい用紙を使うようにしてください。
例えば4回に分けての納税で、1期分の支払いをするはずだったのに、
誤って2期分の振込用紙で支払ってしまった場合は、間違ったからといって返金を指す還付はされません。
また、2期分の振込用紙で支払ったお金を1期分に充当することもできないのが基本です。
あくまでも、2期分の納付書で収めた場合は2期分の納税になりますから、
支払えなかった1期分の固定資産税は1期分の振込用紙で納付期間中に改めて支払う必要があります。
納付期間を過ぎて滞納してしまうリスクも抑えられるでしょう。
自治体によってクレジットカード払いや、電子マネー決済でも固定資産税の納付を受け付けています。
ただし、決済手数料がかかるケースも多いので、自分が使っているカード会社や電子マネーのサイトなどで確認して、
自治体の手数料と支払いで付与されるポイントを比較して損をしない手段で支払いましょう。
早めに自治体の窓口に連絡して税務課で再発行をお願いしてください。
振込用紙を紛失したために納付期限までに納税できないと言う言い分は通用しませんし、
再発行してもらっても期限が延びる訳でもありません。
注意したいのは、納税通知書は再発行してもらえない点です。
通知書に記載されている情報をどうしても確認したい場合は、
課税対象になっている不動産の所有者を一覧にした土地家屋名寄台帳の写しを手数料を支払って発行してもらえます。
相続などの手続きで確認したい情報が発生した場合は、
紛失した納税通知書の替わりに土地家屋名寄台帳の写しが使用できると知っておくと焦らずにすみます。
築年数が経過しても評価額があまり下がらない理由とは
マイホームが古くなれば価値は下がっていくはずだから、
固定資産税の納付額も安くなっていくと考えている人は少なくありません。
では、納税額はいつ下がるのかと言えば、明確な答えはないと言えます。
しかも、固定資産税を決定する不動産の評価額に関しては高くなることもあれば低くなる場合もあると言うのが一般的です。
評価の方法は、今現在の家屋を取り壊して同じ建築物をその土地に新築する場合にかかる再建築価格と、
家屋の築年数で通常考えられる経年劣化の状況から求められる減価率を指す経年減点補正率を乗じて出されるものです。
築年数が経過すれば経年減点補正率も下がるため、評価額は下がるのが一般的と言えますが、
前回の評価替えから新しく評価替えが行われるまでの
3年間で工事にかかる費用についての物価変動を定めた再建築費評点補正率が上がってしまうと、
家屋の古さや摩耗状態に関わらず評価額が上昇してしまうケースが多くあります。
しかし、固定資産税の場合は評価額が前回よりも上回っても、その分徴収される税額が上昇する訳ではありません。
評価基準となっている経過措置によって納税負担を減らす考えから据え置きになるのが一般的です。
加えて、不動産がどんなに古くなったとしても、
家屋が建っている状態であれば新築した時の価格から20%程度の残存価格が残ってしまうため、
耐用年数を超えた築年数で減価償却期間の過ぎた家屋でも納税額は下がらなくなります。
建造物が倒れない限り価値が残るのです。
しかし、年数が経過すれば工事費や資材費などの物価上昇も一般的にあるので、評価額が下がるとは考えにくいと言えます。
固定資産税は期日を守って正しく支払おう
前年の1月2日から翌年の1月1日までの期間に不動産を所有している人に対して
1年分の納税額の支払いを義務付けているものです。
延滞金が発生して損をしないように支払いを期日までに済ませるようにしましょう。